●石の宝殿

 石の宝殿と呼ばれる巨石の遺跡は大阪、兵庫に5箇所ほど存在するがここで紹介するのは兵庫県高砂市阿弥陀町生石に鎮座する生石神社(おうしこじんじゃ)に祀られている石の宝殿である。単に石の宝殿というとここを指すことが多い。

 石の宝殿は、横6.4m、高さ5.7m、奥行7.2mの巨大な凝灰岩の石造物で裏側に四角錐の突起がある。また水面に浮かんでいるように見えることから「浮石」とも呼ばれている。いつ誰が何の目的で作ったかはわかっていない。

 生石神社の社伝『播州石宝殿略縁起』によると、大穴牟遅神と少毘古那神が出雲国から播磨国に来た際に石の宮殿を造ろうとして一夜のうちに現在の形まで造ったが、途中で播磨の土着の神の反乱が起こり、宮殿造営を止めて反乱を鎮圧したと伝えられる。

 また『播磨国風土記』には聖徳太子の時代に物部守屋が作ったとされているが共に伝承のいきを出ない。

 生石神社の石の宝殿に宮城県鹽竈神社の塩竈、宮崎県霧島神宮の天逆鉾(あめのさかほこ)をあわせて、「日本三奇」と呼ばれている。


  
 

  


  


  
 拝殿の背後にそびえ立つ御神体。これほど迫力のある御神体は他にはないであろう。

  
 御神体らしく注連縄が張られている。

  
 宝殿の下部は削りこまれており、そこに水が溜まっているため宝殿はまるで水面上に浮いているように見える。

  
 宝殿下部を拡大したところ

  
 裏側には四角錐の突起がある。なんのためのものかは分からない。

  
 神社の横から裏山に登る石段が続いている。一つの岩を刻んで作った文字通りの石段である。

  
 宝殿を斜め後ろから見たところ。宝殿の上部は風化し雑木が生えている。