小浜の寺

 小浜は今でこそ日本海側の小都市であるが奈良、平安時代は京都と近いこともあって大陸との交易の拠点であった。小浜に『海のある奈良』と呼ばれるほどの多くの古寺院と仏像が残されているのはその名残である。

 どの寺もさほど大きくはないので2日もあれば十分に巡ることができる。車を使用して早足で巡るなら一日で回れるほどである。JR東小浜駅でレンタサイクルを借りる事ができる。

 各寺拝観料が400円必要(案内が付いている)である。駐車場は無料。

○萬徳寺

 前身の極楽寺が戦国時代に荒廃したのを江戸時代初期に当地において再興し、萬徳寺と改称したもの。真言宗高野山派。本尊は阿弥陀如来坐像(重要文化財)である。紅葉百選にも選ばれた山もみじの美しさで知られている。

  
 平日とあって人気のない寺だが秋の紅葉時には多くの観光客で賑わう。

  
 国指定名勝の枯山水庭園は延宝5年(1677)に小浜藩主の命により寺の再興時に築造されたもの。

  
 右は書院、白砂の広場を挟んで左が国名勝の庭園である。書院の茅葺屋根が美しい。

  
 本堂の阿弥陀堂 本尊の木造阿弥陀如来坐像が祀られている。

○国分寺

 天平時代に諸国に建てられた国分寺の一つ。本尊の木造釈迦如来坐像は像高318cmの福井県最大の仏像である。曹洞宗。昔の国分寺跡はよく残っていて国の史蹟に指定されている。

  
 釈迦堂と鐘楼

  
 釈迦堂は昔の金堂跡に建っている。

  
 薬師堂 本尊の木造薬師如来坐像は重要文化財に指定されている。

  
 塔跡

○明通寺

 大同元年(806年)、坂上田村麻呂によって創建されたと伝えられる。本堂と三重塔は日本海側では数少ない国宝建造物として著名。真言宗御室派。本尊は薬師如来坐像(重要文化財)。

 明通寺のHP:http://www.cho.ne.jp/~myotsuji/index.html

  
 有名な寺だがどこにでもあるようなこじんまりとした寺の景観である。

  
 本堂付近から写したところ 周りはすべて山に囲まれた山間の寺である。周辺に民家は少ない。

  
 右は受付 中央奥に本堂が見える。信楽焼の狸はご愛嬌。

  
 鎌倉時代、文永2年(1265)に立てられた本堂 三重塔と一緒に昭和28年(1953)に国宝に指定された。

  
 本堂の奥に建つ三重塔は本堂の少し後、 文永7年(1270)に上棟されたもの。

  
 山門 明和9年(1772)に再建されたもの。左右に仁王像が置かれている。

○神宮寺

 元正天皇の勅願により和銅7年(714年)、若狭国一の宮の神願寺として創建されたと伝わる。 鎌倉時代初期に寺号を若狭彦神社別当寺神宮寺と改め大いに繁栄したがその後衰退した。東大寺二月堂への『お水送り』が行われる寺として有名である。天台宗。本尊は薬師如来坐像。


  
 仁王門(重要文化財) 本堂までは200mほどあり参道脇には多くの建物があったことであろう。今では田畑となり古の繁栄は見る影もない。

  
 仁王像 愛嬌のある表情の仁王様だが右手がヘン

  
 本堂と茶室

  
 本堂 (重要文化財)は天文22年(1553)越前国守護朝倉義景によって再建されたもの。

  
 内陣の様子

  
 閼伽井戸 ここで汲まれた水が東大寺二月堂に送られるということになっている(実際に水が送られるわけではない)。

○多田寺

 天平勝宝元年(749年)に孝謙天皇の勅願によって創建されたといわれ、最盛期には子院12を数えたが現在では本堂が残るのみである。真言宗高野山派。本尊は木造薬師如来立像(重要文化財)で平安前期の作。

  
 質素な山門がぽつんと建っていた

  
 全景 最盛期には子院12を数えたらしい。

  
 文化4年(1807)に再建された本堂 重要文化財の木造薬師如来立像、木造十一面観音立像、木造菩薩立像が祀られている。共に平安初期作

  
 本堂から山門を望む 周りはのどかな山村である。

○芳賀寺

 「本浄山羽賀寺縁起」によれば、霊亀2年(716年)、元正天皇の勅願によって行基が創建したとされるが今では本堂を残すのみである。本尊の木造十一面観音菩薩立像(重要文化財)は元正天皇の御影といわれ、当初の色彩がよく残り若狭地方を代表する仏像である。真言宗高野山派。

 羽賀寺のHP:http://www.hagaji.jp/

  
 標柱の後ろにあるのは開山堂 ここを左に行くと本堂がある。

  
 この石段登ると本堂である。

  
 本堂 室町中期、文安4年(1447)に建てられたもの。内部は外陣、内陣に区切られている。重要文化財

  
 本堂の左には大きな銀杏の木

○圓照寺

 大日山堂谷に真言宗遠松寺と称していたが。川の洪水により、文安元年(1444)に現在地に移して圓照寺と名を改めたもの。本尊の木造大日如来坐像は像高251.5cmの北陸随一の大きな仏像である。

  
 今は無住寺なのだろうか人気がなく生活感も乏しかった。

  
 本堂 本堂の左の建物の裏に回遊式庭園がある。

  
 庭園は、自然地形を利用した回遊式庭園として県指定の名勝となってはいるが整備がされておらず荒れた感じ。早々に退散した。

○妙楽寺

 養老3年(719年)行基が本尊を彫り、延暦16年797年空海が再興したと伝えられているが、定かでない。本堂は若狭最古の建造物である。本尊の平安中期作、木造千手観音菩薩立像(重要文化財)は長らく秘仏であったために当初の金箔がよく残っている。真言宗高野山派。

  
 よく手入れされた参道である。

  
 山門 安永6年(1777)に再建されたもの。仁王像が置かれているが痛みが激しい。

  
 今回訪問した寺の中ではこの寺がもっともよく手入れされていた。気持ちが良い。

  
 本堂 永仁4年(1296)に建てられた、若狭最古の建造物である。重要文化財

  
 地蔵堂 金箔張りの大きな地蔵様(135.8cm)が置かれている。